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zoom RSS サウンド・オブ・ミュージックのトラップ一家物語について。

<<   作成日時 : 2015/11/08 04:16   >>

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お世話様でございます。
2010年5月17日付の当ブログにおいては『サウンド・オブ・ミュージック』と題して映画についてのうんちくやトラップ一家について記事を書いた事があり、その際は主に映画についての内容でありましたが、今回はその登場人物たるトラップ一家についてもうちょっと掘り下げて語りたいと思います。



さて、このサウンド・オブ・ミュージックのトラップ家について簡単におさらいしましょう。
まず映画『サウンド・オブ・ミュージック』は1965年に公開されたミュージカル映画として有名ですが、実話(自伝)を元にした作品と言うのは意外に知られていないようです。
原作は作品の主人公であるマリア・アウグスタ・フォン・トラップさんです。
オーストリア海軍の英雄として名高いゲオルク・フォン・トラップ氏の館に家庭教師として派遣され、家族と交流を深めそしてトラップ氏と結婚、その後アメリカに亡命し家族でトラップ一家合唱団を結成し評判を呼んでゆく・・・といった内容のマリアさん本人の体験を基に書かれた自伝が素になっています。
この原作本は1949年に『トラップ・ファミリー合唱団物語』として出版されベストセラーになりました。
その後、この著作の権利をドイツの映画会社が買い取り、この著作を元に2本の映画(『菩提樹』 Die Trapp-Familie 、1956年、『続・菩提樹』 Die Trapp-Familie in Amerika 、1958年)が作られた。さらにアメリカのプロダクションがその権利を買い取ってミュージカル化し大成功を収めました。
そして1965年にジュリー・アンドリュースの主演により映画化されたのが『サウンド・オブ・ミュージック』であります。
映画は空前の大ヒットとなり、日本においてもいまだにファンの多い傑作として名高い作品となりました。
インフレーション調整による歴代興行収入としては歴代3位を記録。(2015年現在。一位は1939年の「風を共に去りぬ」、2位は「スター・ウォーズ・EP4新たなる希望」4位「E.T」5位「タイタニック」)
さすが名作と言われるだけあってすごい映画だったんですね。





さて、そんなわけで今回の記事においては日本でTV放映されたアニメ『トラップ一家物語』をメインにうんちくを語りたいと思います。
これはかつてフジテレビで毎週日曜の19:30より放送されていたおなじみのアニメ『世界名作劇場』シリーズの第17作目となる作品であります。(TV平均視聴率は14.8%)
(注:前身はカルピスまんが劇場。この中には『ムーミン』(1972年)や『アルプスの少女ハイジ』(1974年)などがあり、公式に世界名作劇場となったのは1975年放送の『フランダースの犬』からでこれが第一作目とされる)


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あらすじ

修道女を志し、ザルツブルクへとやってきたマリアは、一番厳しい修道院として教えられたノンベルク修道院を訪れて、志願の結果修道女見習いとして迎え入れられる。
しかし、しきたりや規律等に無頓着なマリアは、徐々に修道院では問題のある存在としてみなされていくようになってしまう。ある日マリアは、オーストリアの英雄にして貴族であるゲオルク・フォン・トラップ大佐の家に次女マリアの家庭教師として住み込みで9ヶ月間派遣されることになった。
7人の子どもたちは、当初は心を閉ざし反発していたが、次第に天真爛漫で裏表の無いマリアに心を開いていく。そしてゲオルクも、マリアに惹かれるようになっていく。


登場人物

マリア・クッチャラ
トラップ家にやってきた26人目の家庭教師。18歳。修道女志願でノンベルク修道院の門を叩いたが修道院暮らしに馴染めずにいた所、トラップ家の次女マリアの家庭教師として住み込みで9ヶ月間派遣されることになる。
天真爛漫でユーモアにあふれ前向きな性格だが、それが元で修道院では度々問題を起こすことになるのだが家庭教師としてトラップ家で働くようになってからはその姿勢が沈んでいた家族に明るさをもたらしてゆくことになる。

ゲオルク・フォン・トラップ
元オーストリア海軍大佐であり潜水艦の艦長。38歳。その功績からオーストリアの国民的英雄となり退役後に男爵の称号を得て貴族となる。
2年前に妻のアガタを亡くしてからは沈みがちで子供達にも心を閉ざしており厳格な姿勢ばかりが目立っていたが、マリアが来てからは徐々に元のやさしい家族思いの素顔を見せるようになる。

ルーペルト
トラップ家の長男で14歳。やや無口ながら長男らしく落ち着いており、運動以外はよく出来る。

ヘートヴィッヒ
トラップ家の長女で13歳。しっかり者で家族思いだが気が強く、それがため最初はマリアに対しヒステリックに反発していた。

ヴェルナー
トラップ家次男で10歳。腕白で元気な少年。貴族の堅苦しい生活を快く思っていない。

マリア(小さいマリア)
トラップ家次女で8歳。穏やかでやさしい少女。2年前に母のアガタ亡くなった時に同じ猩紅熱にかかり一命は取り留めたが心臓を弱くして学校へ通えなくなる。家族の中でも孤独になり心を閉ざしていたがマリア先生が来てからはぐんぐん元気になっていく。

ヨハンナ
トラップ家三女で6歳。お茶目でお転婆だが割と素直なのでマリア先生に対しては最初からあまり抵抗を示さず小さいマリアと共にマリア先生から勉強を教えてもらう事になる。

マルティナ
トラップ家四女で5歳。頑固で無口。いつもクマのぬいぐるみ「ニコラ」を抱いている。

アガーテ
トラップ家五女で三歳。甘えん坊でいたずら好き。まだおねしょ癖が治っていない。


その他登場人物


マチルダ夫人
トラップ家の家政婦長。子供達が恐れ主のゲオルクですら疎ましく思うほど貴族の仕来りに厳しく、天真爛漫で自由なマリアとは度々衝突することになる。貴族女性イヴォンヌとゲオルクの結婚を望んでいるため、マリアの存在は余計に邪魔でしかない。反面、コケたりする事が多く、物語のオチ担当(?)

イヴォンヌ・ベルベデーレ
高貴族ベルベデーレ伯爵のご令嬢でゲオルクの婚約者。高慢で我侭に育った貴族女性の典型。縁談を進めるため度々トラップ館を訪れるが子供が苦手であり、子供達を寄宿舎へ追いやりゲオルクと二人だけの生活を望んでいる。

ハンス
トラップ家執事。実直な執事であり家政全般だけでなくゲオルクの実業までサポートする。実はナチ党員であり祖国オーストリアを愛するゲオルクと対立するがナチスから家族を守ろうとするなど協力的な面も。

ヴァスナー神父
トラップ館で下宿人を受け入れる事になった時の最初の住人。以後、家族が合唱活動をしていく上で共に行動するようになる。


主な登場人物は以上です。
アニメでは鬱な描写や悲しい場面は少なく、耳馴染みの良い音楽と共に明るく物語が展開していきます。
私が好きなのは上のイラストのようにマリアがギターを弾いて子供達と共に楽しく歌うシーンです。
そして家族が段々と絆を深めていくあたたかさがとてもいい。
物語は全部で40話あるが、後半では私も結構目を潤ませてしまう場面が多々ありました。
最近、youtubeで見る機会があり、改めて全話通して見ることが出来ましたがヤッパリいいモノはいい、と再確認しました。
まあ、youtubeで見れるとは言っても厳密に言えば恐らく違法UPでしょうからそのウチ消されちゃうかもしれませんけど・・・







さて、史実との違いもあるので一応そちらにも目を向けてみましょう。
〇マリアの年齢は家庭教師に派遣された時点で21歳。ゲオルクとは25歳差。
〇子供達の順番は本来ルーペルト→アガーテ→マリア→ヴェルナー→ヘートヴィッヒ→ヨハンナ→マルティナである。
〇ゲオルクの退役時の最終階級は少佐。
〇物語は第一次大戦後から第二次大戦における期間(1926年〜1938年)の話であるが、アニメでは1〜2年に簡潔にまとめてある。実際に家族がオーストリアを離れる時点では新たにマリアとゲオルクの子が二人(ローズマリーとエレノオール)生まれており、更にマリアは三人目(ヨーハネス)を懐妊中だったらしい。

・・・などなど。
この辺りの違いなどは詳しい事情は知りませんけど、子供のいる家族向けアニメなので分かりやすさや演出などを考えてあえて変更しているものと私は良い方向で捉えております。
映画『サウンド・オブ・ミュージック』では名前やその他、変更点が非常に多いのでそのあたりは私個人的に言えばあまり好ましくは思ってません。好きな映画であることは間違いないのですけれど。



さてさて、時代の背景を見ると、ゲオルクが軍人として活躍していた1898年から退役の1919年のオーストリアは正式にはオーストリア=ハンガリー帝国であり、ハプスブルク家が統治した多民族国家である。
現在で言えばチェコ、スロバキア、ハンガリー、スロベニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ・クロアチアといった広大な領地を持つ連邦国家でした。
地図を見ればわかるでしょうけど、当時は海に面した領土を持っていたため海軍があり、ゲオルクはそこに所属し潜水艦の艦長として名を上げました。

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そして有名な「サラエボ事件」をきっかけにヨーロッパ中を巻き込んだ第一次世界大戦が勃発、様々な国の思惑が絡みながらその戦争後もヨーロッパは平和を取り戻せず混沌とし、オーストリア=ハンガリー帝国は崩壊し領土を大幅に縮小され、ゲオルクの活躍した海軍も消滅、オーストリアはその後第一共和国としてナチスドイツに併合されるまで続きました。
正式には
1918年11月12日から1919年10月21日までは、ドイツ=オーストリア共和国
1919年10月21日から1934年4月30日までは、オーストリア共和国
1934年4月30日から1938年3月13日までは、オーストリア連邦国
この間も国の政情は思わしくなく、政情だけでなく激しいインフレや世界恐慌、内乱など不安定な状況であった。
元々、オーストリアは観光で生計をたてている人が多く、ナチスに併合される前はナチスによるオーストリアへの渡航禁止措置など、さらに経済は圧迫されました。
ちなみにゲオルクとマリアの結婚はこの間の1927年でした。
ゲオルクは退役後に事業を興しその他株や財務運営で結構な財産があったが、1933年の恐慌によりゲオルクが財産を預けていた銀行が倒産し、一家は破産してしまいます。
その後はアニメでも語られている通り、貴族のプライドなど捨てて館に下宿人を募って収入を得て、さらに”歌”でもってその後の生活を切り開いていく事になったのです。

そして1938年、オーストリアはナチスドイツに併合されました。
オーストリア全土にドイツ軍の進駐が進み、完全にドイツの下に組み込まれたが、ゲオルクはナチスの旗を家に飾ることを拒否し、ドイツ海軍省からの召集も拒否した。また、アドルフ・ヒトラーの誕生日にミュンヘンで行われるパーティーで、一家が祝福の歌を歌うことを要求され激怒しつつも、これ以上ドイツに抵抗すれば家族に危険が伴うことを恐れ、執事のハンスの進言もあって一家はオーストリアを離れることにしました。
亡命後家族はイタリア、スイス、フランス、イギリスへと渡り、サウサンプトンからアメリカへ上陸、1939年にニューヨークに入りました。
1941年にバーモント州ストー(ニューヨークより北北東の位置。カナダ・モントリオールまで約200km。ニューヨークへ行くのも遠くなく、東京−盛岡間より近い)の農場を買い取ってザルツブルク風のロッジを建てる。そして一家はアメリカの大手プロダクションのプロデュースの元、「トラップファミリー合唱団」として1956年までコンサート活動を行ないました。
ちなみにバーモント州ストウのロッジは今もゲオルクとマリアの子ヨーハネス・フォン・トラップ氏が管理し、世界中からの観光客をもてなしているそうです。トラップファミリーロッジで検索すると旅行会社のサイトが出てきます。レストランやスポーツ施設などが充実した立派な建物で私もビックリしました。私もいつか行ってみたいなあ。

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以下のビデオはサウンド・オブ・ミュージックでマリア役を務めたジュリー・アンドリュースとマリア本人の貴重な映像。字幕が無いので何を言ってるか分からない方も多いかもしれませんね。
内容としては以下のような具合かしら。
「私がアナタの役をやって、そんなアナタはアナタの役をやっている私を見てどう?
私はアナタに成りきれてるかしら?アナタは私を・・・あらら、何言ってるのかわからなくなっちゃったワ」
「フフン・・・・ジュリー、ワンダフルよ」
・・・ってな感じでしょうかね。
マリアさん本人は映画に対してはゲオルクの人物描写が冷たすぎるとしてあまり好意的ではなかったようですが、ジュリーの演技については純粋に楽しんだようですね。
そして二人でヨーデルを共に歌う、短い動画中でも楽しい雰囲気が伝わってきますね。






-そして時代は移り、人は変わる。

アニメのトラップ一家物語の登場人物の方々は皆さん概ね長寿でした。その中でも最近まで存命だった最後の一人、マリア・フランツィスカ・フォン・トラップさん(小さいマリア)は昨年2014年2月18日に亡くなられたそうです。(99歳)
アニメで語られている通り、幼少期は実際に身体が弱かったのに一番の長寿になられたんですね。


そして。






現在は新たなトラップ・ファミリー・シンガーズが活躍中。
彼らは次男ヴェルナー氏のお孫さんで、長女のソフィア(23歳)、次女メラニー(21歳)、三女のアマンダ(19歳)、末っ子のジャスティン(17歳)の四人。(年齢は2013年のもの)
2013年には日本でも公演を行っています。

ジョナサン-ジョセフ-丞太郎のジョジョの奇妙な冒険じゃないけど、時代と共に血は受け継がれる、彼らもまた歌でもって人々を楽しませていくことでしょう。



めずらしく長文でもってブログ記事を真面目に書きましたが、冗長な文章にお付き合いいただきありがとうございました。

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